【「考え抜く」ことの効用】
松下幸之助さんは「考え抜く」ということについて述べた経営者でもあります。
「考えて、考えて、考え抜く」ということは言葉として分かりますが、実際にはできないことでしょう。
たいていの人は考えていると気が散るわけです。
いろいろなことに気が移り、一日中、ベータ波が出ているような状態になります。
それは、テレビのコマーシャルのようなものです。
いろいろなものがパラパラと動いていて、いろいろなことに思いが行ってしまい、じっと同じことを考えられるないわけです。
つまり、答えを出すために、まるで詰めて将棋でもするかのように、考え抜くことは、そんなに楽にできることではないのです。
しかし、松下幸之助さんは、これを現実に実践した方です。
そのため、毎晩の睡眠が浅く、よく眠れなかったそうです。
2,3時間の睡眠しか取れなかったため、軽い睡眠導入剤のようなものを使っていたのですが、それでも眠れなかったようです。
寝ながらでも考え続けていましたし、目を開ければ「経営の問題について、どうするか」を考えていたのです。
このように、松下幸之助さんは「考え抜く」ということの効用を、非常に強く訴えかけていた方です。
夜中でも考えでいましたし、土曜も日曜もないと思っていました。
たとえ、身体がゴルフをしたり、釣りをしたりして「私」の時間を使っているように見えても、頭まで、その中にとらわれていたらいけないわけです。
(『経営成功学の原点としての松下幸之助の発想』P.104)
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