MMTは国家破滅への道 [HRPニュースファイル2050]

幸福実現党政務調査会・成長戦略部会長
・HS政経塾4期卒塾生
西邑拓真


◆MMTとは何か


れいわ新選組などは消費税廃止を訴えていますが、この主張の論拠となっているのがMMT(現代貨幣理論)と言われるものです。


MMTとは、「金や銀などと交換できない不換紙幣を発行する国では、債務の返還に必要な通貨を自由に創造することができることから政府債務の不履行(デフォルト)は生じない。インフレにならない限りは、財政赤字をいくら膨らませても問題はないのだ」と主張するものです。


◆MMTはハイパーインフレを防げるのか


MMTに従うと増税しなくてもよいということで、この理論がもてはやされています。しかし、実は増税しなくてよいのはデフレの間に限ってのことであり、インフレを抑制しないといけない状況に転じた時には、増税をしなければいけなくなるほか、社会保障費を含めドラスティックな歳出削減を余儀なくされることになります。


こうした状況になれば、いくら安心な日本といえども、経済苦によって自殺者が急増するほか、治安が悪化するなどといったことは、避けて通ることはできないでしょう。


仮に、政府が円を大量に発行させると円の価値が低下して極端な円安となりますが、そうすれば、原油をはじめとした輸入物価が上昇しこれが様々な価格に波及して、インフレが起こることになります。


経済に貨幣がどれだけ供給されているかにもよりますが、場合によっては、一旦インフレになるとこれまでしまいこまれてきた貨幣が使われるようになって、ハイパーインフレに至るリスクもあるとの指摘もあります。そうすると、持っているお金が紙くずになるなどして、経済は大混乱状態に陥りかねません。


それに加え、増税や歳出削減は機動的には行うことができないがゆえに、それをインフレの抑制策として効果的に実施することができるかも疑問が残るところです。


◆MMTは究極の愚民政策


MMTの論者は増税などを実施する状況に追い込まれることを避けるため、できるだけデフレが続いてほしいと願っているかもしれませんが、この30年間、日本経済が長期不況に陥り、家計や企業が経済的な苦しみに喘いできたのは、まさにデフレによるものです。


こうした意味で、MMTは民の苦しみの上に成立し、政治家にバラマキの財源をもたらす、究極の愚民政策と言えるのです。


不況に陥っている時に限っては、緊急避難的に政府がお金を使うことでデフレから脱却させるという考え方は間違ったものとは言えません。


しかし、政府の財政出動のみに頼るのは、“モルヒネ”を打ち続けるようなもので、その結果、国民から企業家精神などを奪って国力は落ち込み、もはや健全な姿を取り戻すことは難しくなります。


◆必要なのは、健全な観念を基にした経済成長


この国に本来求められているのは、バラマキによる一時的な人気取りではなく、これまで日本経済の発展の礎にもなってきた自助努力や勤勉性といった、健全な観念を基にした経済成長なのです。これが、国や貨幣の信用力の土台ともなっているのです。


確かなデフレ脱却、持続的な経済成長の達成に向けては、経済成長につながる公共投資を行うだけではなく、民間部門がいかに回復を果たせるかが重要です。


そして、増税に頼らずとも、持続的な経済成長の達成によって、税収を増やしていき、健全財政を実現することができるのです。


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